「つづれおり」 キャロル・キング
私がキャロル・キングを聴き始めたのは、ほんの数ヶ月前。
現在進行形の女性ヴォーカルはたくさんいる。その中に紛れ込んでも、決して負けない存在感。
そりゃそうだ、超定番・超名盤として知られる1枚…ってことも知らなかった。
「Will you love me tomorrow?」
(あなたは私を明日も愛してくれる?)
今、自分のそばにいる人も。
明日も必ず、私のことを愛してくれるなんて保証はどこにもない。
しばらく忘れていた「恋の不安」が感情に流れ込んでくる。
10代、20代で聴いていたら、もっと悲しかっただろう場面が思い出される。
その他「君の友だち(You've got a friend)」や「It's too late」など名曲揃い。
中でも「女子力」についてじっと考えてしまうのが
「(You make me feel like)A Natural Woman」、
「ナチュラル・ウーマン」と呼ばれている曲。
You make me feel,
You make me feel like a natural woman
「あなたが私をありのままでいさせてくれる」
……そんな相手に巡り会えた幸福感、そして「自然体の自分」にようやく自信を持てた、
芯のある強い歌声に打たれる。
きっと彼女は、相手の愛に不安がるだけの恋を経て
「Natural woman」でいられる相手にたどりついたのかもしれない。
女子力向上は、自分が自分らしくいられるための小さな意識。
表面だけごまかしたり、相手に合わせて繕うのではなく。
若い人にもぜひ聴いてもらいたい、1枚。
〔追記〕
もしキャロル・キングに興味を持った方には、2004年に出たライブアルバムもおすすめ。
62歳のキャロル・キングが観客を巻き込んで歌う「ナチュラル・ウーマン」、30年を経て深みと包容力を増した、そして「ぶれない」プロの歌声に感動します。成長を止めない人の美しさを、耳で確かめてください。
〔レビュアー〕山口照美=委員長
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